仏教の教えの中に、六波羅蜜があります。
六波羅密とは、この世にあって、仏の境涯に至るために行う修行のことを言います。
悟りを求める菩薩の6つの実践徳目の一つが「布施」です。
良い運を授かり、幸運がもたらされると言われる7種の「無財の七施」というものがあります。
何故か「7つのお布施」という文字が気になったので、今日は「無財の7施」についてご紹介します。
お布施と聞くとお金をイメージしますが、日本が今より貧しかったころのお布施は、お金ではなく農産物だったり、奉仕活動などでした。
私も子供の頃、ご住職から「お寺で靴を揃えるのもお布施」と教えていただいたことがあります。
ふと、そんなことを思い出しました。
1.眼施(げんせ):やさしい眼差しを持って人に接する
「目は口ほどにものを言う」という言葉があります。
相手の目を見れば、なんとなく相手の感情を読み取れることができます。
だからこそ、心から優しい眼差しで接し、安心感や親近感を与えたいものです。
2.和顔施(わがんせ):やさしい微笑みを持って人に接する
笑うと高波動を創ります。
笑顔を忘れずに、周りに幸せを振りまきましょう。
笑顔は周りの雰囲気を和らげ、気持ちを優しく明るくしてくれます。
笑顔は最高のプレゼントです。
笑顔を絶やさない毎日を過ごすと、間違いなく幸せで豊かな人生になります。
3.愛語施(あいごせ):思いやりを持った言葉で人に接する
言霊という言葉がありますが、言葉には魂が宿りエネルギーを持っています。
言葉一つで相手を幸せにしたり、傷つけたりします。
だからこそ、思いやりのある言葉を発しましょう。
その言葉を一番身近で聞いているのが自分自身です。
言葉遣いが人生を変えると言っても過言ではありません。
美しい、綺麗な言葉を使いましょう。
心地良い言葉を使いましょう。
いつしか幸せで豊かな人生を送っていますよ。
4.身施(しんせ):身を持って思いやりを示す
些細なことでいいのです。
困っている人に、ちょっとだけ勇気をだして手を差し伸べる。
思いやりと自分の身体を使って行動すれば、それは相手に喜びを与え、幸せをもたらすことになります。
何といっても、自分の魂を磨くきっかけになるはずです。
5.心施(しんせ):心を込めて思いやりを示す
思いやりを手放すと人生は楽になると言う人もいますが、思いやりに溢れた世界を想像してみると、なんて心地良いんだろうと思いませんか。
相手に心を配り、気持ちを察し、共に喜び、悲しむ。
相手が傷ついていたら、自分の痛みとして感じられる。
深い思いやりと愛に溢れた心は、自分の周りを幸せにします。
6.床座施(しょうざせ):人に場所や席を快く譲る
時に、若くて健康そうな人が公共機関の優先席に座っているのを見かけます。
しかも、お年寄りや妊婦に気づかないで座っている光景を見る事もあります。
優先席に限らず、席を必要としている人を見かけたら快く譲る優しさや思いやりを持ちたいものです。
譲り合う心が大切なのですね。
7.房舎施(ぼうじゃせ):人に宿泊や休憩の場所を快く提供する
他人を温かく自分の家に迎え、労をねぎらい、休んでもらう場所を提供するということですが、
現代では少し難しい面もありそうです。
四国ではお遍路さんをもてなす「お接待」という習慣があります。
食べ物や飲み物を提供したり、休憩所を解放したりしています。
些細なことでもいいので、誰かの為に手を差し伸べられたらいいですね。
「無財の七施」は、人に何かを与え、人の心を明るくし、人生を豊かに幸せにするものです。
人に与えれば与えるほど、自分の心も豊かになり幸せになります。
ぜひ皆さんも心掛けてみてはいかがでしょうか。
いい事も悪い事も、人に与えたものは自分に返ってきます。
なら、たくさんのいい事を与えませんか。
そういう人には、間違いなく幸せな人生が訪れます。
私たちは幸せになるために生まれてきました・・・。